(1)交通事故問題解決の流れ



交通事故発生後、けがの症状固定から解決までは約6か月ほどかかるのが一般的です。

後遺障害の等級認定や示談交渉・裁判などでそれ以上長引く可能性もありますし、示談交渉がスムーズに進んで、約3か月ほどで解決する場合もあります。

交通事故でケガをされた場合、適正な賠償を受けるためには、交通事故の直後からやっておいた方が良いこともありますので、
問題解決までの経過ごとに、5つのタイミングに分けて説明していきます。

  • ① 交通事故発生
  • ② 治療・通院
  • ③ 症状固定
  • ④ 後後遺障害申請・後遺障害等級認定
  • ⑤ 示談交渉(または裁判)

① 交通事故発生

  • 警察へ「人身事故」として届けを出しましょう

交通事故には「物件事故」「人身事故」の2種類があります。
交通事故でケガを負った場合は、きちんと「人身事故」にしておくことが必要です。

 

 

物件事故の場合は、警察では「物件事故報告書」という非常に簡単な事故状況の説明書を作成して事件終了とすることがほとんどです。
一方、人身事故の場合は、警察がきちんと実況見分を行い、「実況見分調書」が作成されます。加害者と交渉する際は、その調書を開示してもらって、調書の内容を基に交渉をすることができます。
「物件事故報告書」しかない場合は、詳しい事故状況が分からず、交渉するための資料がない、ということになってしまいます。





人身事故の場合は、警察に病院の診断書を提出する必要があります。ただし、事故から1カ月以上経ってから警察に診断書を持参しても、警察が受け付けてくれないことがありますので、事故に遭ったらできるだけ早く病院から診断書を受け取り、警察に提出するようにしましょう。

物件事故として届け出をしたり、事故現場で安易に加害者と示談することは、その後のトラブルにつながることが多く、おすすめできません。


  • 警察による実況見分を受ける

事故被害者の方は、警察から実況見分の立会や事情聴取をお願いされることになりますので、事故の状況説明を行います。

特に、警察が先に加害者から話を聞いている場合には、加害者が説明した内容に沿って警察から質問されることがありますので、ご自分の記憶と違う場合には、曖昧にせずに、きちんと実際の状況を説明する必要があります。後から説明の内容を訂正することはとても難しいからです。

② 治療 ・ 通院

  • 自覚症状の有無に関わらず、必ず病院に行きましょう

事故直後は、興奮していて痛みに気づかなかったり、脳内出血やむち打ちのようにすぐに自覚症状が出ないものもあります。軽いけがや違和感だけと思う場合でも、なるべく早期に病院へ行くことをおすすめします。
また、早い段階でMRIなどの詳細な検査を受けることも重要です。
特に、頭を打った可能性がある場合には、注意が必要です。



  • 我慢や遠慮をせずにしっかり治療を受けましょう

痛みや身体の違和感の状態を具体的に医師に説明するのは簡単

なことではありません。ですが、その後の治療や、障害が残った

ときの交渉に影響が出る場合もありますので、痛みや違和感が

ある場合には、遠慮せずに主治医の先生にしっかりと詳細を伝えて、十分な治療を受けてください。

「これぐらいだったら我慢できるな」と思って、医師に伝えないでいると、後から症状が悪化した場合に、交通事故とは無関係だと言われてしまいます。

  • 弁護士に相談するタイミングはここ

    私たちは、交通事故に遭われてからなるべく早い段階、病院で治療中のこの時期に、弁護士に相談することをお勧めしています。

    それは、適切な治療を十分に受けてもらうことや、適切な診断書を提出してもらい、その後の交渉をスムーズに進めるためです。

③ 症状固定

  • ケガの症状固定とは

ケガが治ったときには治癒と判断されますが、ケガの治療をこれ以上続けても症状が改善しないと判断された場合は症状固定となります。
動作の制限や骨の変形など、なんらかの症状や障害が残った状態です。
本人の痛みや違和感などの訴えや、治療計画、治療の結果などの様々な状況を精査し、最終的に医師が治癒か症状固定かを判断します。

  • 症状固定以降は治療費が請求できなくなります

症状固定後は、保険会社側でこれ以上の治療は意味がないと判断されるため、治療にかかる費用を加害者側の保険会社に請求できません

 

  • 保険会社が症状固定を勧めても、安易に応じてはいけません

加害者側の保険会社は、被害者への支払い金額を減らしたいため、早めに症状固定で治療を終了して示談を進めましょうと促してくることがありますが、まだ回復の余地があるときには、 安易に了承してはいけません。
症状固定は、必ず担当の医師と相談して決めるようにしましょう。


 

④ 後遺障害申請・後遺障害等級認定

  • 症状固定後の障害などは、後遺障害として損害賠償を請求できます

症状固定時、身体に残った障害については、後遺障害の等級認定の申請手続きをして等級認定を受け、加害者側に損害賠償を請求することができます。

後遺障害による損害賠償には「後遺障害による逸失利益」と「後遺障害慰謝料」があります。

逸失利益とは、事故によって得られなくなった利益(収入)のことです。事故以前の収入が多い人ほど賠償額が大きくなります。
後遺障害慰謝料とは、後遺障害が残ってしまったことによる肉体・精神的な苦痛に対する慰謝料です。

  • 後遺障害診断書

後遺障害申請を行う場合は、医師に「後遺障害診断書」を作成してもらう必要があります。これには、これまでの症状や検査結果、治療内容の総括、症状固定日、症状固定時の症状、症状の今後の推移見込み等を記載してもらうことになります。

 

「後遺障害診断書」は後遺障害の程度・内容を判断するための重要な資料となりますので、適正な等級認定のために、主治医の先生には、出来る限り詳細に、不足なく記載してもらうことが大切です。

 

  • 後遺障害等級認定票

後遺障害等級認定申請後は、その認定結果が記載された「後遺障害等級認定票」が送付されてきます。
この認定票には、被害者の症状がどのような後遺障害(等級)に該当すると判断したのかが詳細に記載されていて、被害者の後遺障害が何等級に該当するのかを示す資料として非常に重要なものとなります。


→ 詳しくは(4)損害賠償請求を行う際に必要となる資料などへ

⑤ 示談交渉(または裁判)

  • 弁護士に相談することで、より適切な賠償金が支払われることがあります

 

ケガが治癒となったとき、または後遺障害等級が認定されると、示談交渉が始まります。

保険会社は通常、任意保険基準での示談金を提案してきます。
しかし、これは被害者側からすると到底納得できる金額ではない場合がほとんどです。

賠償金や慰謝料には、任意保険会社の基準のほかに裁判所の基準というものがあり、裁判所基準の方が高額です。
弁護士が委任を受けた場合は、この裁判所基準をもとに交渉を行います。

  → 詳しくは(3)広くは知られていない損害賠償額算定基準の違いへ


  • 加害者側の保険会社と交渉します

加害者側と賠償内容について交渉を開始します。
加害者側と一度示談の内容に合意をしてしまうと、示談した内容(示談書に記載された額)以上のお金を請求することはできませんので、交渉や示談をする前に交通事故に詳しい弁護士に相談することはとても大切です。

被害者側からの損害賠償請求においては、出来るだけ早く適正かつ十分な賠償を受けるという観点が非常に重要であり、「加害者からどの点が争われるか」、また「その争点に対してどのような判断、 結論が導かれるか」を適切に判断し、正確な見通しを立てることが必要となります。 これらは蓄積された知識や業務経験があって初めて可能となるものです。

弁護士費用特約を使用することでご自身の相談料のご負担なく相談できる場合や、相談は無料としている法律事務所もありますので、積極的に検討すべきでしょう。

  • 交渉での解決が難しい場合には、裁判所に訴訟を提起します

交通事故の損害賠償について、交渉で解決しない場合には、裁判をする必要があります。

裁判をする場合は、発生する法律的争点の質や量によって、訴訟終了までに要する時間が変化します。
裁判になった場合には、最終的に解決するまでに、ある程度の時間がかかりますので、裁判をするかどうかについても慎重な見極めが必要となります。


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